農業がいかようにも楽しくなる

村瀬 慎 [東京都出身]
自分が何を感じるかで
農業はいかようにも楽しくなる!
僕が若葉農園に来たのは、自分を変える為の一大決心として、2015年7月から月中旬までしていたヒッチハイク日本一周の旅で、徳島から香川に行こうとしている最中に、若葉農園の横田夫妻に拾っていただいたのがきっかけでした。道中ではうどんをご馳走になったり、車内で研修の詳しいお話を聞いたりしていました。すると、自然農法の農業をやられていて、研修施設を構え、更に研修生として5人中3人、僕と同い年の人がいて、まだ入れるので入ってもいいとのこと。旅前に木村秋則さんの本を読んだり、東京で自然食系のカフェやスーパーで働いたりして、無農薬・無肥料の野菜や農業に関心を持っていた僕は大興奮!
また、東京生まれ東京育ち27歳まで実家暮らしの僕には、建物に囲まれた東京の実家を離れ、自然に囲まれて自然農法で農業をやりながら、共同生活をするというのは夢が幾重にも重なって現れてきたようでした。まさに、運命的な出会いでした。旅中に他の方々からのありがたいお誘いもありましたが、お断りさせていただいたあと、横田社長に連絡をして、東京から徳島での半年間の研修生活が2015年10月からスタートしました。まず僕に待ち受けていたのは、体力との闘いでした。事前に「農業は大変だよー」と数人から聞いていたので、心構えはしていたつもりでしたが、あくまでつもり。完全に準備不足でした。元々腰痛持ちの僕には体力的にも精神的にもかなり辛いものだったように思います。そんな辛さも先輩たちからのアドバイスやサポートを受けて、自分の体の使い方、またケアの仕方などを模索しながらでもやると、日に日に慣れて薄らいできました。そうするとスピードも上がり、除草や間引きなどの精度も上がって、来た時より楽しく作業に取り組めるようになりました。農業に取り組んで感じたことはたくさんありますが、そのうちから二つ程書かせていただこうと思います。
一つ目は、「野菜を育てることは人を育てることに似ているなぁ」ということです。まず野菜が健康的に育つためには、土壌が大切です。人も土台が大切です。野菜に水が欠かせないように、人にも水が欠かせません。マメに気をかけて愛情を注がないとうまく育ちません。そして、その成長の早さに驚かされるのも一緒です。人生で大切なこと、人として大切なこと、ものを教えてくれる存在。それが僕らの源である自然・野菜でした。野菜を育てるうえで大切なことに気付かされ、野菜を育てているというより、自分が育てられている感覚にもなりました。二つ目は、「野菜も生が一番おいしい!」ということです。育てた野菜達を収穫したその場で食べてみると、その美味しさにとにかくとにかく感動しました。何より一番驚いたのはほうれん草です。おいしすぎてテンションが上がり、同期の研修生に少しひかれたぐらいです(笑)これで僕はポパイが食べていた理由が分かった気がしました。きっと彼が食べていたのは自然農法のほうれん草でしょう(笑) 更に、大根は梨みたいですし、人参も人参くささが全然なくとにかく甘い!キャベツやブロッコリーは変に調理せず、生で食べた方が一番おいしいように感じました。これなら子供も食べるようになると思います。
「やはり何事も生が一番だ」と感じた瞬間です。僕が自信をもって言えるのは、若葉農園の野菜を食べると、とにかく笑顔になれることです。それはきっと価格以上の喜びを連れてきてくれると感じています。そんな野菜が育つのは社員、パートの皆様方、そして研修生、そしてそして一重に横田夫妻の愛情が伝わっているからだと僕は思います。研修生たちの目標や目的は人それぞれですが、僕自身は、研修するにつれて研修する前よりも広く、まずは家庭菜園程度ではあるけれどブロッコリー、キャベツ、ほうれん草などを作りたいとの思いが、まるで野菜のように芽生えました(笑)
今後の予定は2016年3月に半年間の研修を終えたあと、東京に戻り、前々から考えていた、無農薬・無肥料のオーガニックな野菜を使ったカフェレストランで働こうと考えています。そこの店主さんも在来種、固定種で無農薬・無肥料の農業をやるそうなので、僕もそこで若葉農園と同じように、若葉農園で教わった作業面、そして”和”の心を胸に地域社会に貢献していきます。
半年間ここまでこんな僕を育ててくれた、若葉農園の皆様、そして若葉農園を通じて出会えたすべての人、事、物、自然に感謝です。
お読みいただきありがとうございました。