夫婦で独立しました!


 

 

 

 


欠掛隆太 大阪府出身・36歳

  奈々 東京都出身・  歳
2015年6月、独立しました!

プロフィール
精密機械メーカーの知財部に勤務していたが、就農を目指し婚約者とともに若葉農園へ。
1年2ヶ月の研修の後、2015年6月、伊豆半島の最南端、静岡県南伊豆町で独立。
現在は自然に恵まれた小さな里で、生命力いっぱいの農作物を育てています。
この欄の畑、野菜はすべて僕たちが独立後に自然農法(無肥料、無農薬)で育てた畑、野菜の写真です!!

 

夜11時、12時まで仕事して、お酒飲んで。  
東京の不自然な生活に疑問をもったのが始まり
最初は就農を目指すということではなく、
なんとなく自分たちの生活に疑問を持ったのが始まりです。
婚約者の奈々も大手に勤めていて、
ハイヒールとスーツで夜中まで仕事してお酒飲んで、という毎日です。
僕は、精密機械メーカーの知財部に勤務していましたが、
やっぱり忙しくて、奈々と同じような生活をしていました。
自分の仕事はいろんなことに繋がっていて、あることを解決していても、また別の問題を誘引している。だから
もっといい循環のなかに自分の仕事をおきたいと考えるようになりました。色々と考えた末、同じような時期
に退社することになりました。奈々が28歳、僕が31歳ぐらいのときのことです。

 

飲食店を手伝うなかで目覚めた
安全で美味しい野菜への意識
ちょうどその頃、奈々の母親が東京で古民家で庭つきのレストランを運営することになり、僕もかかわり始めたんです。店のコンセプトは、からだにいい食事。素材にとことんこだわっていましたが、地元ではなかなか有機野菜の仕入れが難しく、仕入先を探していたときに、偶然山梨県北杜市の若い農家さんを 紹介して頂きました。農家さん達の話を伺うと販路にも困っているとのことでしたので、若い農家さんを応援したいとの思いがあって野菜の仕入れとともに販売を始めました。こうしているうちに野菜のことをもっと知りたいと強く思うようになり、山梨の農家さんのもとを頻繁に訪ね始め、どんどん農家の知り合いが増えました。

 

20歳や30歳の子が新規就農している現場を知って興味を持ち、太陽の光を浴びたり、土を触ったり、食べ物を作る喜びを感じたり、そんな生活が心底羨ましくなり就農へと気持ちが傾いていきました。

 

 

 

 

研修先をインターネットで探し、
全国行脚へ
就農すると決めてからは東京で情報収集していました。でも、いくらインターネットで調べても、実際この目で見てみないとわからないことがいっぱいなんですよね。そこで、ワンボックスカーに荷物を積み、2ヶ月ほどかけて岡山、三重、静岡、四国など移住地の候補を30カ所以上、実際にみて回ることにしました。

 

 

約2ヶ月にわたって岡山、四国を中心に6000km走り、色んな場所を見て農家さんと話せたのはめちゃくちゃ大きな経験知となりました。日本のエーゲ海と呼ばれてる岡山の牛窓では、景色は最高ですけど海がさほど綺麗じゃないことに少しがっかりしました。ですが瀬戸大橋を渡った先の四国で劇的な出会いがあったのです。

 

 

 

 

自然農法をやっている人で、こんなに大規模で
しっかり経営しているところは全国でも珍しいと思う
それが自然農法若葉農園でした。探し当てることができたのは、ほんとに偶然なんです。徳島県庁で「就農するための研修先を探している」と相談したら、若葉農園を紹介してくれました。自然農法をやっている人で、こんなに大規模でしっかり経営しているところは全国でも珍しいと思います。若葉農園を選んだ大きな理由は、無農薬・無肥料・自家採種の自然農法で驚くほど経営がしっかりしている(自家採種は100%!)、規模が大きくて研修制度や給与待遇が充実している、社長の熱い志と社長夫人の素朴な人柄に暖かさを感じたことです。

研修生として受け入れていただけることが決まり、実際に研修がスタートしてみると、さすがにまだ体は疲れ
ます。でも1か月もたてば意外に色々と慣れてくるもんですね。

 

実際に作業してみて
吉野川が育む土壌に恵まれているというメリットはあるにしても、これほどまでに立派な野菜たちが毎日沢山実る現場ですごしてると、肥料がなくても、自家採種や良質な土、適切な管理をしっかりしていれば十分育つということを実感できました。

それと経営面が安定しているのには理由があり、きちんと日々のデータを取って次への改善につなげたり、収穫や出荷の効率化をとことん追及したりと、(言い尽くせないのですが)20年積み重ねてきた努力と工夫があることを、日々の作業を通じで身をもって勉強することができました。また規模が大きかったお陰で、あのスケール感をもって独立することができ、独立後にここでの研修経験が大きな財産になっていることに気づきました。

 

 

具体的に、研修中は、朝から晩まで畑に出ていました。冬は朝7時、夏は朝5時スタートですが昼休憩は季節に合わせて1時間~4時間とたっぷり取れますので慣れない外の作業もそれほど苦にはなりませんでした。朝一番のミーティングでその日の作業の内容や段取りを確認して、その後は数人のグループに分かれて畑作業に向かいます。毎日の収穫量がとても多いので、だいたい午前中いっぱいまで収穫があり、それ以外で播種や除草など他の作業に当たりました。無肥料のこと、除草のこと、自家採種のこと、育苗や定植(苗を植える)のこと、ベトコン(小さい簡易ハウス)のこと、機械や道具のこと、出荷や栽培スケジュールのこと…全部が全部奥
が深くて、毎日コツコツ、ちょっとずつ学んでるって感じでした。それでも先輩社員や他の研修生と一緒に作業をすることが多いので、先輩の動きや疑問点などはその時すぐに聞くことができ、農業未経験者でも比較的早くにコツをつかむことができたように思います。お昼ご飯は、パートのお母さんが毎日手作り。ご飯・野菜・味噌汁とシンプルなご飯でめちゃくちゃ美味しかったです。

農業人口は減っていますが、そのなかでも自然農法をやってみようという人は、ほんのひとにぎりです。僕は野菜を販売していたから、有機農法の大変さや、規模感もよくわかったんです。だからこそ、この規模で、化学肥料や農薬を使わ ず 野 菜を育てているなんて、最 初 は「 ホンマ かなぁ?」という気持ちもありました。

 

 

 

けれども、実際にこの目で見て、「ウソやろー!すごい!」に変わりました。自然農法で社員を雇い、販売網をもって、ちゃんと経営している。これには本当に驚きました。夫婦で研修を終え、僕も2015年6月に静岡県で農家として独立しました。若葉農園の学びを生かして、元気な野菜を育てていきたいです。

 

 

 

独立して思うことは、多くの方が研修チャンスは一回きりでしょうし、独立してから、あの時どうしていたかなと悩むことが多々あります。ですので、できるのなら研修期間は長い方がいいと思います。会社全体がとてもアットホームな環境で、とても良い経験ができるので、独立後僕達は、自然農法の研修先を探している子に出会ったら真っ先にここをお勧めしています。